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はじめに
 ★非常時に“薬の情報”がわからないと命に関わることがあります!★ 今回の東日本大震災で、多くの患者さんが毎日飲んでいた薬を失っています。病院や調剤薬局に保管されていたカルテや記録も見ることができません。震災の混乱の中、救護所の医師や薬剤師は、患者さんが飲んでいた薬を特定できず、適切な対応ができないのが現状です。1995年の阪神・淡路大震災の時も全く同じことが起こりました。 糖尿病や高血圧症、気管支ぜんそく、てんかん、狭心症、リウマチなどの慢性病で薬を飲んでいる患者さんが、毎日飲んでいる薬の名前や記号を知っておかないと、災害などの非常事態のときに命に関わることがあります。 もしも自分が毎日飲んでいる薬の名前を知らないとすると、地震などの大災害が発生したときには、かかりつけの病院にいけず、避難先の病院や救護所などの医師や薬剤師から「どんな病気で、どのようなお薬をもらって飲んでいましたか? どのように飲んでいましたか? どう使っていましたか?」と質問されても、患者さんは「血圧が高く、ぜんそくで白の丸い薬と黄色の細長い薬を飲んでいました・・・?」などとあいまいにしか答えられないでしょう。これでは、医師や薬剤師は何のことかわからず、迅速に適切な対応がとれません。そのため、病気が悪化してしまうかもしれませんし、薬の種類によっては飲むのを突然やめてしまうと、薬のリバウンド現象(反動で一層症状が悪化する現象)や離脱症状(禁断症状など特異な症状)などの重大な副作用がおこるかもしれないのです。 「非常時に“薬の情報”が分からない」という問題を解決するためには、あなたの“薬の情報”を医療従事者に伝えることが先ずやらなければならない重要なポイントです。そこで必要なのは患者さん自身が今すぐにできる手作りの方法です。本誌でご提案する方法をいくつか組み合わせて、可能なところから、今すぐ始めてください。 備えあれば憂えなし! 自分の身は自分で守る!

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